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西播磨の9人の匠たちがIFFに出展
地場産業4社がギフト・ショーに初出展
vol.23 西播磨の優れた皮革工芸を全国に発信!
vol.22 インタビュー 姫路城で花開く平成の菓子文化
vol.21 首長インタビュー 旧市町の特色を生かしながら市民が参画する市民主体のまちづくりを
vol.20 首長インタビュー 林業の再生を目指して『宍粟らしさ』が息づく街づくりへ
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健康と環境に優しい革づくりを通して
次代を見据えた多彩な皮革商品の開拓を。
オールマイティ  水瀬隆行さん

──オールマイティはいつ頃の設立ですか?

 昨年(2008年)の1月です。もともと私はタンナーとして皮革のOEM生産などをやっていたんですが、取引先の倒産のあおりを受けて事業を停止。その後は親類筋の大手皮革業者で製造と営業の統括をやっていましたが、思うところがあってオールマイティを設立したんです。

──その思うところとは?

 これは自分で事業をやっていた頃から思っていたんですが、姫路の地場産業である皮革を活性化させるためには、これまでの一次製品中心ではなく、二次製品まで商品化することによって、皮革の良さを全国に発信していかなければならない。ただ、この方向転換は所帯の大きな企業や業者には難しい。ならば自分でやってみようとオールマイティを立ち上げたんです。

──今回のIFFへの出展の目的は?

 「顔を売る」ことももちろんありましたが、ファッション関係者が多く集まるIFFに出展することにより、ファッションとしての皮革が置かれている状況を確認したいという思いがありました。

──結果的にいかがでした?

 参加して正解だったと思いました。今回のIFFには私が昔から手がけていたカーフスキン(生後6カ月ぐらいの子牛の皮。薄手できめと繊維構造が最も細かい最上質の皮)を用いたバッグや靴などを出展したんですが、業界紙の方々に「カーフをつくっているところが日本にもあるんだ」と驚かれました。カーフのバッグや靴は軽いし、きめが細かいし、触感が優しいから高級品として人気が高いんですが、なめしの段階からカーフをやっているのは日本ではウチだけですので、驚かれたんだと思います。カーフはなめすのが非常に難しい素材ですから……。そのような点でも参加してよかったと思っています。

──カーフを使うだけでなく、商品にいろんな工夫を施されているようですが?

 はい。蜜蝋(蜂蜜の巣から採集した蝋。和ロウソクの原料)や牛脂を熱含浸させることによって、エレガンスで深みのある独特の風合いを持たせ、使い込むうちに持つ人の個性が表れるような商品づくりをやっています。

──今後の方向性というか夢は?

 最初にも言いましたように、1つは原料の供給からデザイン、縫製、最終的な商品化まで姫路の人間の手、もしくは姫路出身で現在は他の地域で活躍されている方の手でやりたい。そのためには違う業態の方々とのネットワークも築いていかなければならない。大変なことですが、長い目で見れば、そのことが姫路の皮革産業の活性化にもつながると思っています。
 もう1点は、皮革の用途を広げることです。たとえば肌着やTシャツなんかにも皮革を使っていく。これが商品化の次の段階だと考えています。

──肌着やTシャツですか? すごい話ですね?

 もちろん、これを実現するためには幾つもの課題があります。肌に直接触れるものですから、いかに自然に近く、肌に近い状態かが革そのものに求められるし、何よりも体に優しいものでなければならない。そこで私が目指しているのは、化学薬品を多く用いる現行のクロムなめしではなく、自然由来のものしか使わないなめしによる「ノンメタル、ノンクロム、低アルデヒド」の革づくりです。
 このベースにあるのは、なたね油と塩でなめす姫革(白なめし革)の伝統な手法で、それをより科学的に進化させた方法でノンメタル、ノンクロム、低アルデヒドの革をつくっていきたいと考えています。
 もちろん技術的にクリアしなければならない問題がいっぱいですが、これをやらないと皮革産業は生き残っていけない。これからの時代は、どんな商品でも健康に良くて環境に優しいものじゃないと商売として立ち行かないと思うんです。
 口で言うのは簡単ですが、でも、誰かがこれをやらなければ姫路の皮革産業の未来はない。課題が山積みですが、私なりに精一杯頑張っていきたいと思っています。

──発想の新しさに「目からウロコ」のような思いがしました。西播磨の皮革産業のために新たしい商品開発を大いに期待しています。


●オールマイティ
姫路市花田町高木字山本290 TEL/079−284−0135 



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