夢おこし 西播磨じばさんニュース
じばさんも応援します!地産地消への取り組み
第4回 相生のカキ(相生牡蠣)
バックナンバー
じばさんも応援します!地産地消への取り組み
第3回 安富町(姫路市)のゆず
じばさんも応援します!地産地消への取り組み
第2回 播州手延素麺 揖保乃糸
じばさんも応援します!地産地消への取り組み
第1回 ぼうぜ鯖
西播磨の9人の匠たちがIFFに出展
地場産業4社がギフト・ショーに初出展
vol.23 西播磨の優れた皮革工芸を全国に発信!
vol.22 インタビュー 姫路城で花開く平成の菓子文化
vol.21 首長インタビュー 旧市町の特色を生かしながら市民が参画する市民主体のまちづくりを
vol.20 首長インタビュー 林業の再生を目指して『宍粟らしさ』が息づく街づくりへ
vol.20 2006年3月発行
topix 「国見の森公園」(仮称)が2006年8月にオーブン!
国際ファッション展示会に姫路市などの皮革業者4社が出展
じばさんセンターへ戻る
首長インタビュー
林業の再生を通して
『宍粟らしさ』が息づくまちづくりへ
自然に恵まれた宍粟市
自然に恵まれた宍粟市
 2005年4月に山崎町、一宮町、波賀町、千種町の旧宍粟郡4町が合併して誕生した宍粟市、県下では豊岡市に次ぐ658・6平方キロメートルもの広い面積を有し、しかも市域の9割が山林で、そのうちの7割が人工林というまさに「森林王国」だが、安価な輸入材に押された日本の林業は長く衰退の剛途をたどっており、その影響による活力の低下は宍粟市も例外ではない。そこで今回は、宍粟市の初代市長に就任した白谷敏明市長に、宍粟市のこれからのまちづくり、夢おこしについてうかがってみた。
市長就任後まだ日が浅く、また旧4町の合併協議会が作成した新市建設計画が
これからのまちづくりの大前提になっているので、お話しにくい面もあるかと思いますが、
市長が訴えてこられた「宍粟らしさが息づくまちづくり」とはどういうものなのか、
まずそのあたりからお聞かせ下さい。
街づくりについて語る白谷市長
街づくりについて語る
白谷市長
 自然環境が素晴らしく、四季折々の景観の美しいまち。このことが「宍粟らしさ」の一番の原点で、これを大事にし、きちんとした形で次代に引き継いでいくことが大切だと思っています。
それと旧4町は、それぞれの思いを持って長い歴史を刻んできたわけで、その中で大切していかなければならないもの、私はそれを「香り」と呼んでいるのですが、同じ伝統芸能にしてもスポーツにしても旧4町にはその地域独特の香りがある。それを失くしてはいけないと思っています。

旧4町の特色や個性を生かしながら、宍粟市としてどう集約していくかだと思いますが、
旧宍粟郡として「しそう森林王国」を提唱してきた経緯もあり、
森林資源を大切にという思いは共通なのでは。
 
林業で栄えてきた宍粟市
林業で栄えてきた宍粟市
 旧4町とも基本的には林業で栄えてきた町ですし、林業でいろんな文化や歴史を刻んできたわけですが、今は林業を振り向くのもイヤという思いをほとんどの人が抱いている。そのこと自体が宍粟らしさを失くしているのだと思います。
何十年もかかって森林を育成してきたのに、その経済的価値がゼロに等しいと言われ、一体自分たちは何をやってきたのだろうという思いに陥っている。その気持ちはよく分かりますが、少なくとも山にもう一度手を入れていこうという気運が生まれなければ山も守れないし、宍粟らしさも甦らないんじゃないでしょうか。
今も山は見た目にはきれいけれど、本当に安全・安心できる状況にあるかと言えばそうじやない。一雨降れば一気に水が出る。何故かというと手入れが行き届いていないからで、もちろん幾らか手を入れている所もあるが、ほとんどはそうじやない。山に手を入れたら損だという状況ですから間伐も枝打ちもしていない。だから木が生い茂って昼間でも暗く、逆に下草は生えていない。すでに動物などが住める
環境じゃないんです。
従ってもう20年ほどこのままの状態で放っていたら、いずれは「山へ行ったら危ないで」ということになる。かといって、そんな危ない山をどこかに移すわけにもいかない。だとしたら、安全・安心できる山に戻すために手を入れ、山のサイクルを取り戻していかなければいけない。山が荒れれば谷川が荒れ、その周りも荒れていく。林業の再生なくして宍粟市の活性化はないと思います。

シックハウス症候群の問題などがあって、木の家が見直され、
地元産の木で家を作ろうという動きも広がっているように見えるのですが。
 
宍粟市の木々
宍粟市の木々
 宍粟市内にもぞうした民間業者がおられるし、市でも旧山崎町時代に立ち上げた「宍粟材推進会議」を引き継ぎ、「しそうの森見学ツアー」などを通して宍粟材のPRをしたり、市の施設の木質化の推進を図ったりしていますが、それだけじゃ間に合わない。幸い県も県産材を使った建物を10年間で10倍に増やそうという計画を持っておられますし、どこがそれを供給するとなると宍粟市しかないので、しっかりとした供給体制を整えていかないと。
ただ山の場合、国有であったり、生産森林組合のものであったり、個人の所有であったりと。それぞれに持ち主がある。従って今年はこの地区の木を計画的に伐採しようと思っても折衝とかが難しく、出そうと思う木が出せないというジレンマがある。本当に計画的に供給体制を確立しようとすれば、一定の広い面積の中で、ここは来年伐りますよ、植林しますよ、間伐しますよといった面的な管理が必要になってくる。それらをどこかで一元管理できるシステムを作っていかなければならない。
さらに難しいのは、山の持ち主にしても幾ら損しても構いませんよというわけにはいかない。すごく儲からなくてもいいから、これだったらもう一度山に手を入れてもいいなと思っていただけるぐらいの利益を安定した形で山や持ち主に還元できるシステムを作らなければならない。だから供給体制だけでなく、山の生産計画や木材の製品化といったことまで考えていかなければならない。それが非常に難しい。

どこまでが行政の役割かということも難しくなってきますね。
 
宍粟の林業を語る白谷市長
宍粟の林業を語る白谷市長
 ただ製材所を作るとか乾燥場を作るだけだったら行政でやれないこともないが、じゃあ誰が運営し、回していくんだとなると、これは行政ではできない。一番肝心なのは、宍粟市で林業に関わっている人たちが本気になってそういうシステムや組織を作り上げ、運営していこうという気運が生まれること。
そのためには意識を変えていただくことも必要で、たとえば国産材のコストが高いのは輸送コストが高いからですが、これを解消しようと思えば、現状の流通経路を大幅にカットし、山で伐採した木を直に工場に運んで、そこから製品にして出したり、プレカットして建築現場に運んでしまうぐらいのことをしないといけない。すると、製材所はどうなる、市場はどうなるといった問題が当然出てくるわけで、そうした問題も含めて、林業に関わる人がrそれでもやろう』という風にならない限り難しい。だからこそ今まで誰もやろうとしなかったのですが、誰かがこれをやらないと宍粟市の活性化はない。もちろん、そうした素地作り、まとめ役は行政の役割で、市でも合併を機に発足させた11の職員プロジェクトの中で「宍粟市林業再生計画策定プロジェクト」を立ち上げ、林業の再生や活性化に向けた取り組みを図っていきますが、林業に関わる人の中からそうしたシステムを本気で作っていこうとい
う実働部隊が生まれない限り難しいと思います。

宍粟市は旧4町とも森林リゾートとして観光振興を図ってきたわけで、
山や森が観光と強くリンクしているという側面もあります。
 
自然に囲まれた街並み
自然に囲まれた街並み
 ですからこれからは、山に入って木を伐っている現場を見てもらうとか、木工とか炭焼きを体験してもらうような観光も考えていきたい。ロクロなどは一度でできあがらないからリピーターになってもらえるし、木に親しんでもらえる機会にもなる。渓谷や山もたくさんありますし、ただ普通にきれいな自然だなと見てもらうだけじゃなく、山に登ったり自然を探索したり、そうした体験型の観光にもカを入れていきたいと思っています。

市内にはたくさんの観光資源がありますし、
これらをネットワーク化していくこともこれからの課題では。
 
山崎菖蒲園
山崎菖蒲園
 今までは各施設同士がライバルで、単独で利益を上げようとしてきたが、これからは自分の所だけが儲かったらいいということでは成り立たない。先日も各施設の責任者に集まってもらい、定期的に集まって協議や相談の場を設け、観光施設・拠点のネットワーク化を図ろうという話をし、皆さんの賛同を得ました。
私も播州山崎花菖蒲園のNPO代表をしていた時に、あちこちの観光会社に来てもらえるようお願いに行ったことがあるんですが、菖蒲を2時間ほど鑑賞したとして、その後3時間ほどどこかへ行ったり、してみたりすることはないのかとよく尋ねられました。このあたりのルート化が必要で。これからは各施設・拠点がネットワークを作って、いろんな組み合わせのできるルートを作らないと。

市内には一宮町の「まほろばの湯」とか千種町の「ちくさ高原温泉」とか、
ロケーションも泉質も違う温泉がありますし、温泉めぐりなんかも面白いですね。
 
ちくさ高原スキー場
ちくさ高原スキー場
 温泉、名水、紅葉、スキー、山や渓谷、リンゴ狩りやぶどう狩り等、市内にはいろんな観光資源があるのですが、これまではスキーにしても、終わればさっと帰るというお客さんが多かった。そうではなく、周辺の観光施設とパックにして売り込む。そういう凝光のルート化とか共同パンフレットの作成とか、いろんなことがやれる。お互いが助け合って、みんなで相乗効果を上げようと言う発想が必要だと思います。
それと、ルート化ということで言うと、1つの観光拠点から次の観光拠点に移動する間に、たとえば湿地帯にミズバショウの自生地を育てるとか、市花のササユリの群生地を育てるとか、自然に少し手を加えた観光ポイントができないかとも思っています。

宍粟市内には旧4町時代から地場産品の製造グルーブや道の駅などの直売所も
多いのですが、 同じものを作っても仕方がないので、
それぞれを何かに特化させたり、 直売所のネットワーク化も必要でくは。
 
道の駅ちくさ
道の駅ちくさ
 確かに千種町の「やたら漬け」なども他で作ろうと思えばできないこともないけど、あれはあれで千種のグルーブにお願いし、その代わり市内のすべての道の駅や物産直売所で販売するとかして販路を拡大し採算ベースに乗っていけるようにしたい。
また、旅に欠かせない「食べる楽しみ」にしても、山里ならではの素朴なキノコ料理とか川魚といった、ここでしか食べられないものを提供していく必要があるし、各観光拠点にボランティアの観光ガイドを置くことも考えていきたい。
そうしたことも含め、市でも職員プロジェクトの「宍粟市観光ネットワークブラン策定プロジェクト」の中でいろいろと考えていきますが、いずれにしろ個々に利益を求め努力するだけでなく宍粟市全体としての魅力を高め、集客を図っていくことが大切。ぜひ皆さんとカを合わせて観光振興に取り組んでいきたいと考えています。

期待しております。本日は長時間ありがとうございました。

  ▲ページの先頭へ戻る
じばさんセンターへ戻る
Copyright (C) 2006-2013 公益財団法人 姫路・西はりま地場産業センター. All Rights Reserved.